CBDVは有名なカンナビノイドの1つであり、カンナビビバリンとも呼ばれています。精神作用を引き起こすTHCとは異なり、陶酔効果はありません。したがって、THCを避けたい人でも、安心して利用することができます。
本記事ではCBDとも似ていると言われるCBDVがいったいどのような成分なのか、その具体的な効果なども含めてお伝えしていきます。
CBDV(カンナビビバリン)とは?
CBDV(カンナビビバリン)は、CBD(カンナビジオール)の構造と非常によく似た化合物です。大麻植物の花や葉、茎、種子などから抽出される成分ですが、その割合は1%にも満たないためレアなカンナビノイドとなっています。
大量に抽出することが難しいことから研究も未だ途中段階にあるのが現状です。今のところわかっている効果によると医学的に有効である可能性が高いですが、娯楽や普段使いとして使用するには適していない成分と言えるでしょう。
CBD製品などに一部含まれていることはありますが、基本的に有害成分ではないため安心して使用できます。
バリンカンナビノイドとは?
CBDVはバリンカンナビノイドの一種です。バリンカンナビノイドはアルキル側鎖に3つの炭素を持つカンナビノイドを総称するものとなっています。よく知られているバリンカンナビノイドには、他に下記のような成分があります。
- THCV(テトラヒドロカンナビビリン)
- CBGV(キャナビジビバリン)
- CBCV(キャナビクロロビビバリン)
一般的に使用されるCBDなどは炭素が5つですが、上記のようなバリンカンナビノイドでは炭素が3つとなります。この炭素数の差はCB1やCB2受容体に対する親和性に影響します。そのためCBDVなどのバリンカンナビノイドはCBDよりも親和性が低いというデメリットがありますが、その一方でTRP受容体に対しては高い親和性を持つなどメリットもあるようです。
CBDと何が異なる?
CBDとCBDVは非常に似た構造ですが、いくつか異なる点もあります。
成分 | CBD | CBDV |
含有率(大麻草内) | 20〜30% | 〜1% |
炭素数 | 5つ | 3つ |
使用用途 | リラックス目的など日常使いが多い | 医療用として期待されている |
違法性 | なし | なし |
エンドカンナビノイドシステム(ECS) | 強く作用する | CBDの25%ほどの効力 |
とくに炭素数や含有率の違いなどが大きく、一般使用されるCBDと比較してCBDVが使用されるケースは非常に稀です。CBDの方がコストを抑えられる上にECSへの作用が強いため、CBDが一般的に使用されています。
CBDVにはどのような効果がある?
CBDVの効果についてお伝えしていきます。具体的には下記の通り。
- CBDと似たような作用
- 吐き気を抑える効果
- 自閉症スペクトラム障害の急性不安を緩和
- 筋ジストロフィーに対する効能
- てんかん治療に役立つ
- その他障害や神経疾患への作用
CBDVはCBDよりも医学的な効果が期待されている側面があります。日常的に使用することは少ないかもしれませんが、今後の医療で活躍する可能性は十分にあるでしょう。
CBDと似たような作用がある
CBDVは、CBDと非常によく似た効果を持つことが報告されています。例えば、CBDVは、痛みや不安、抗炎症、抗てんかん、そして抗酸化作用など、多くの病状に対して有用であるとされています。
参照:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20590571/
吐き気を抑える効果がある
CBDVは、悪心や嘔吐を緩和する効果があることが研究で示されています。特に、患者が化学療法を受ける際の悪心や嘔吐を和らげる効果が期待されています。
参照:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa044537
自閉症スペクトラム障害の急性不安を緩和できる
CBDVは、自閉症スペクトラム障害の患者の急性不安を緩和することができる可能性があります。一部の研究では、CBDVが自閉症スペクトラム障害の特定の症状を改善するために有効であることが示唆されています。
参照:https://www.nature.com/articles/s41398-019-0654-8
筋ジストロフィーに対する効能もある
CBDVは、筋ジストロフィーの症状を軽減するためにも有用であることが報告されています。筋ジストロフィーは、筋肉の低下と弱化によって特徴づけられる難治性の神経疾患であり、現在のところ治療法は存在しません。
参照:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30074247/
てんかんの治療に大きな期待
CBDVは、てんかんの治療に対する大きな期待が寄せられています。CBDがてんかん発作を軽減することが研究で示されており、CBDVについても同様の作用が期待
参照:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24282673/
その他の研究や効果
CBDVは上記のような効果が期待されているだけでなく、他にも研究が進められています。例えば、小児期の脳卒中後に発症する運動障害に対しても効果があることが示唆されています。また、脳卒中後の神経再生に対する効果にも注目が集まっているようです。
さらに、CBDVは脳の中のグルタミン酸神経伝達系に対しても影響を与えることが分かっています。これは神経保護や神経細胞の増殖に関与していることを示唆しており、将来的にはアルツハイマーやパーキンソン病などの神経変性疾患の治療にも応用できる可能性があるでしょう。
その反面、CBDVには未知の副作用が存在する可能性もあります。これまでの研究からは、CBDVが安全であることが示唆されていますが、より高い用量での使用や長期的な使用によって起こりうる副作用についてはまだ解明されていません。そのため、CBDVを使用する場合は、医師とよく相談するなど慎重に試すことが重要です。
CBDVはCBDと同様に精神作用がない
CBDVは、CBDと同様に精神作用がなく、陶酔感を感じたり幻覚を見たりするようなことはありません。そのため、医療目的や健康増進目的で使用されることが期待されています。日本では精神作用を持つTHCなどが規制されていますが、CBDVは精神作用がないため今後規制される可能性も高くはないでしょう。
CBDVが一般流通することは今の所ない
現在CBDVが一般流通することはなく、海外でもほとんど医療用途に限定されています。そのため海外でCBDVを購入する際にも医師の処方箋が必要になることが一般的です。とはいえ最近はCBDVの可能性に注目が集まっており、今後より多くの研究が進められることで一般的に使用できるようになる可能性はあるかもしれません。
CBD製品の成分表などに少量含まれているケースもありますが、基本的には低濃度となっているため作用はそこまで強くないでしょう。
CBDVはCBDと似たような性質となっている
繰り返しですが、CBDVはCBDと似たような性質を持っているカンナビノイドです。両者とも、抗炎症や抗けいれん作用などが期待できるとされており、神経保護効果などについても期待されている成分となります。
現状はCBDVがCBDよりも効果的であることは証明されていないため流通は少ないですが、今後研究が進められることで使用する機会が訪れるかもしれません。危険性や違法性については問題のない成分となっているため、万が一摂取してしたとしても、そこまで恐れる必要はないでしょう。
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