日本における「大麻」とは？医療用や産業用も！？違法性や用途を解説！

大麻とはアサ科の植物である大麻草の葉や穂を乾燥させたもののことを言います。

日本では現在「大麻取締法」という法律で所持・譲渡が厳しく制限されていますが、世界的にはヨーロッパや北米を中心に大麻合法化が進み、加速する大麻ビジネスは「グリーンラッシュ」と呼ばれています。

世界的に需要が広がっているのはなぜでしょうか？

大麻に呼び名の違い？マリファナやヘンプ。違いはある？？

呼び名はどういった用途で使用されるかにより違いがあります。

大麻と言っても複数の呼び名があることをご存じでしょうか？

マリファナやヘンプ、他にもWeed（ウィード）やCannnabis（カンナビス）という呼び名がありますが、違いはどういった部分なのか？

《マリファナ》

マリファナやウィードという名前については一般的に嗜好品の大麻のことを指します。

アメリカのメキシコ系移民の使う大麻を表すスペイン語「marihuana」が語源とされていて、大麻の最も一般的な俗語です。

《ヘンプ》

ヘンプは産業用大麻として定義されることが一般的となっています。

農作物として栽培できるよう法整備している国も多く、日本でも神社のしめ縄や鈴縄などにヘンプの繊維は使用されています。
産業用大麻と定義されている理由としてはTHC含有量の低さにあり、国にもよりますが例えばヨーロッパなどでは、THC含有量0.2％以下を基準値としています。

《カンナビス》

植物としての大麻の学術名が「カンナビス・サティバ・エル」です。

よって、ヘンプもマリファナもカンナビスに含まれていると考えて間違いではありませんが、カンナビス＝大麻と定義されているのが現状です。つまり、ヘンプと比べTHC含有量が多く（10％〜20％程度）マリファナに使用される品種と言われていることが分かります。
現在の日本の法律ではTHCの含有量により「ヘンプ」と「カンナビス」を区別する法律は存在しません。そのため、THCを含まないヘンプであっても自由に栽培することができないのが現状となっています。

「カンナビノイド」の種類とは？

カンナビノイドとは大麻草に含まれる100種類を超える生理活性物質の総称です。

植物性カンナビノイド、合成カンナビノイド、内因性カンナビノイドというものがありますが、多くのカンナビノイドの中でも規制対象となっている成分もあるため、摂取する際は違法となっていないものか、確認をする必要があります。

「嗜好品」として大麻を認めている国は現状数か国しかありませんが、その一方で医療大麻は世界的に多く広がりを見せつつあり、医療大麻を合法としている国は既に50か国を超えています。

また、産業用大麻は古くから栽培されてきており、米国では既に農業法で正式に合法扱いとなっており、作物として”普通に”栽培されています。米国の2021年産業用大麻市場規模は8億ドルと言われており、これは日本円で約1000億円にも上ります。

大麻市場は拡大していると言えますが、なぜ嗜好品としては大麻を合法としている国は少ないのでしょうか？

理由の一つとしてカンナビノイドの中でも嗜好用大麻の中に含まれる「THC」の持つ薬理作用があります。THCは脳に多く分布するCB1受容体を刺激し、精神作用をもたらします。いわゆる「ハイ」と言われている状態です。酩酊感があり、体のあらゆる感覚に変化を与えると言われています。

この「ハイ」な状態はストレスからの解放やリラックス作用、快感の一部ともなりますが、「ハイ」な状態で常時過ごすことは車の運転などをする場合や社会生活の一部で危険と判断している国はまだ多いのです。

しかし、THCを含め多くのカンナビノイドにはさまざまな医療効果や有用性があると確認されており、研究が進んでいます。

カンナビノイドの中でもTHCとCBDは大麻草全体の約20％を占め、「主要カンナビノイド」として研究が最も進んでいる成分と言えます。CBN・CBG・CBCなどの「レアカンナビノイド」は大麻草全体から約1％しか採取されず、THCやCBDと比べると研究も進んでいません。

しかし、少しずつレアカンナビノイドに関する研究データも増えてきており、それぞれ違う効果もあることが発見されています。

THCを含む多くのカンナビノイドは食欲増進効果、睡眠障害への効果、癌やてんかんへの効果が確認されており、世界的に大麻の規制は見直されていると言えます。

大麻の違法性を見直すことは日本の発展にも繋がる？

世界的には大麻に含まれるカンナビノイドが難病に役立った例、アトピーなどの皮膚炎が改善された例、睡眠障害が改善された例が多く見られており、世界的な市場規模としては「グリーンラッシュ」と言われるほどの成長を遂げているビジネスとなっていることは事実です。

「大麻」と聞くと単に”ドラッグ”というイメージを持つ方も中にはいるかもしれません。

日本では「大麻取締法」という法律があり、さらに「大麻使用罪」の創設まで検討されています。

他の薬物と一緒くたにし、「ダメ。ゼッタイ。」と熱量で訴えるのではなく、大麻にどれほどの有害性が実際にあるのか？科学的議論をしっかり行い、知見を深め、法を見直すことで結果的に日本のグローバル化に繋がることもあるということを考えてもいいのかもしれません。

世界的には合法化される国や一部合法化されるといった国が増えてきた大麻。今後さらに研究が行われ、世間からの認識も変わっていくかもしれません。

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